雪の夜



「痛った!加減しろ、加減!」



あなたは大袈裟にリアクションをとって、私を笑わせてくれたね





「やっぱりお前は笑ってたほうがいい」



そう言って、わたしの頭に手を置いた。




「はい、タッチ」



「え?」



「お前、鬼な!」




きゃーと寝室から逃げて行った。



「なにこれ!」


「鬼ごっこー!」



あなたは私に鬼ごっこをさせてくれたんだね


友達いないなんて、私が言ったから





私も夢中で追いかけたよ


「私、怪我してるんだけど!」




「お前、そんだけ走れてるんだから大丈夫だよ!」




私が一生懸命走ると、あなたはわざと転けてくれたよね



「はい、タッチ!ケイが鬼ね」


私はきゃーと逃げまわる。


「待て、こら!」


あなたは私を追いかけて、わざとゆっくり走ってくれた




「捕まえた」


あなたに後ろから抱きしめられる。