少ししてから、またココアを持ってきてくれた。
「発砲事件だなんて、物騒だよなあ」
「ウン」
少しぎこちなかったかもしれない。
おかしいな、嘘は得意なはずなのに。
「だーいじょうぶ!すぐ犯人は捕まるよ」
私のぎこちなさを恐怖のせいだと思ったのか、ぎゅっと手を握ってくれた。
「うん」
捕まらないよ
だって、この私が殺したんだもん
結構優秀なんだよ
人を殺すことにかけては
「吉沢さんが小学生の頃、
何して遊んでた?」
私がそう尋ねると、びっくりしたようにこちらを見た。
「吉沢さんはやめろ」
「じゃあなんて呼べばいいの?」
「慶でいいよ」
「ケイ?」
「そ、ケイ」
彼は少し笑った。