「大丈夫、別に」
「顔が蒼白だ、寒いのか?」
彼が私の頬に手を当てる。
「大丈夫だから、本当に」
「無理しなくていい」
彼は私をぎゅっと抱きしめる。
彼は温かった。私の冷えきった体を彼が包み込んでくれた。
「怖かっただろう、ごめんな」
違うの、私が殺したんだよ
相手の目が虚ろになる瞬間も見たんだよ
私なんかを抱きしめる価値なんて無いんだよ
「待ってろ、今温かい飲み物を入れてくる」
あなたが私から離れるのが嫌で
腕を掴んだ。
「そばにいて」
あなたは少し驚いた顔をしていたね
でも、すぐに頷いて
もう一度優しく抱きしめてくれたんだ
あなたの体温は私を落ち着かせてくれる
あなたの世界はいつだって温かかったね
でも、それに触れる度
私とは違うことを思い知らされたんだよ