雪の夜




「くっそ」


相手がまたキョロキョロと私を探しはじめた。




「苛立ちは禁物」


ゆるゆると口の片端が上がっていく。




カチャッと銃を構える。



まずは一発目



相手の拳銃を狙って、弾き落とす





「ま、待て。やめろ、殺すな」


相手の男は手を上に上げる。



「私を狙ったじゃない」



「仕方ないじゃないか。お前がしくじったからだろう?」



男がそう言うと、私はカッとなって

男に向かって突進して、馬乗りになった。





「誰が糸を引いた?ん?」


ピストルで男の頬を軽く叩く。



「私は確実にターゲットを仕留めたあと、誰かに邪魔されて気付かれたんだ」




「し、知らない!俺は本当に何にも」




「そうか、じゃあ用無しだな」



男の額に銃口を当てる。


「あいつだ!」


「あいつ?」


「そ、それ以上は」


男は急に尻込みし始めた。





「そうか、ご苦労さん」




発砲音とともに、男の目が虚ろになった。



「可哀想な人」



私は男を見下ろしながら、そう呟くと

足早にその場を去った。