相手の心臓の脈が手にとるように分かる。 私は走りだした。 怪我なんて、気にならない。 全神経の集中は相手にある。 後ろで追ってくる相手の足音が聞こえた。 発砲音とともに、私が通り過ぎた瞬間に 後ろの鉢植えが割れる。 スリルが快感となって、私の身体を巡る。 もっと走るスピードを上げて、くねくねと路地を曲がる。 そして適当な建物を見つけると、また隠れる。