雪の夜




相手の心臓の脈が手にとるように分かる。





私は走りだした。


怪我なんて、気にならない。
 


全神経の集中は相手にある。



後ろで追ってくる相手の足音が聞こえた。





発砲音とともに、私が通り過ぎた瞬間に
後ろの鉢植えが割れる。





スリルが快感となって、私の身体を巡る。






もっと走るスピードを上げて、くねくねと路地を曲がる。



そして適当な建物を見つけると、また隠れる。