コツっと足音が聞こえた。 相手も警戒しながら、歩いているのが良く伝わる。 建物の隙間から、相手を窺うと 銃を構えて、ゆっくりとこちらへ進んでくるのが見えた。 「駄目だよ、そんな大振りに銃を構えちゃ」 私はニヤリと笑う。 この笑い方が店長と同じだということに まだ自分では気付いていない。 「ああ、早く」 知らず知らずのうちに、本音が漏れ出す。