雪の夜




コツっと足音が聞こえた。




相手も警戒しながら、歩いているのが良く伝わる。





建物の隙間から、相手を窺うと



銃を構えて、ゆっくりとこちらへ進んでくるのが見えた。




「駄目だよ、そんな大振りに銃を構えちゃ」



私はニヤリと笑う。

この笑い方が店長と同じだということに
まだ自分では気付いていない。





「ああ、早く」



知らず知らずのうちに、本音が漏れ出す。