「あなたの本性を教えてあげるって、近づいた。そしたら、まんまと引っかかったわあ」
うふふと楽しそうに言う、真鍋はどこか精神的に壊れているように思えた。
「彼を仕事先で見かけてね、運命の人はこの人だと思った。あんなにカッコイイ人はいないでしょう?」
はあ、と圧倒されるように頷く。
「わざと彼にぶつかったの、食堂でね。何か話すきっかけが欲しかった。彼も私を見れば、絶対に恋に落ちてくれると思ったの」
要するに、ケイをここに連れて来いということだろうか?
だけど、このいち会社員の女に
あいつを知っているとは到底思えない。
この女の正体が見えない。
「ぶつかった時に、醤油が彼のワイシャツに跳ねてね、私が謝ったら、あの爽やかな笑顔で全然いいって言ってくれたわ」
もう何も言えず、はあとしか口に出来ない。
「そこから、きっかけが出来て、次の日にワイシャツのお詫びに私の奢りで食事に行ったの。楽しかったわあ」
恍惚の表情をする、真鍋はそう言うと、ウフフと笑みを浮かべる。
「その時に、きっと彼も恋に落ちたはずだわ。私はそう確信したの」
「あの、彼をここへ連れて来いということですか?」
要約すれば、そういうことだろうか?

