雪の夜




澄んだ瞳に吸い込まれそうになることもない




「幸せになって」



最後に一度だけ彼を見る。


心に焼きつけるように



さよなら、と薄く口を開いて呟いた。






踵を返すと、ゆっくりとバーへ向かった。

もう一度、ファミリーレストランを見に行くが、黒ずくめはやはりいない。




彼に何もなければいい……





一抹の不安と、小さな祈りが混沌した心を
持ちながら、冷たい世界へ戻る。






柔い世界はやっぱり私には合わないね



綺麗な夕焼け空を見ながら、そう呟いた。