ファミリーレストランには比較的人があまりおらず、静かだった。
カチャカチャと、お皿とナイフが当たる音や、話し声がボソボソと聞こえる。
「もう帰らなきゃ、行こう」
私はソファから立ち上がった。
彼は一度私の顔を見て、何か言おうとしたけど、伝票を持って立ち上がった。
その時、奥から同じように会計をしようとこちらに向かってくる人がいた。
ドキンドキンっと心臓が激しく脈を打ち出す
「シズク?」
彼が不審に思ったのか、私に問いかけてきたが、返事をする余裕は無かった。
「黒…ずくめ……」
こちらへ一歩ずつ近づいてきた。
ガシャッと音がして、横を見ると、彼が伝票を落としたようだ。
それはちょうど、黒ずくめの服装をした男の足元へ滑り落ちる。
私は反射的に彼を隠すように、彼の前へ立ちはだかった。
彼のほうが身長が高いし、隠すなんて出来ないけれど

