雪の夜






「もう私を忘れて、お願い」




あなたの瞳を見つめて、あなたに語りかける。




「あなたは何も知らない、何も見てない」





それがあなたのためだと、私は言った。

  


「……無理だ」




ぽつりと俯いて、呟くあなたはひどく淋しそうに見えた。





「お前は忘れられるのか?」





あなたは私を逃さないように、しっかりとした口調で私に尋ねる。




「俺は出来ない。君と出会って、ほんの少しの間だけでも君と過して、君を知った」




私はあなたの強い瞳から、逃げるようにココアを飲む。

甘いココアはやっぱり嫌いだ。