雪の夜





彼は私の目を見つめる。




「いいんだ、そんなこと、どうでも」




「え?」




彼はテーブルに置いてある、私の手をぎゅっと握る。



「一緒に逃げよう、シズク」




「なに、言ってるの?」



多分私の顔は、盛大に眉間にシワが寄っていると思う。
だけど、そんなことはおかまいなしで
彼は続ける。




「逃げよう、シズク。二人でどこか遠くへ」



「ちょ、ちょっと待ってよ。何言ってるの?」