「どうした?やっぱり不味かったか?」
「ううん、美味しいよ」
私がそう言うと、彼は安心したように
良かったと言って笑った。
「塩加減が難しいんだよな」
と首をひねる、あなたは
私には到底同じ世界では生きることのない
人間なんだと実感させた。
「あ!そうだ。
その服、もう洗濯しろ」
彼は私の服を指さした。
ショートパンツと無地の長袖。
血がこびりついている。
「でも、これ以外に服持ってない」
「俺のがある」
そう言って、Tシャツを持ってきてくれたが
着替えてみると、膝ぐらいまで長さがある。
「大きすぎない?」
「仕方ないだろ、しばらくはそれで我慢な」
ふんわりと柔軟剤の匂いがする、そのTシャツは柔らかかった。