雪の夜





「大丈夫だよ、別に何も不安なことなんてない」


笑うのをやめて、真剣な顔に戻す。

そう、現実に戻ってきた。



シズクじゃない自分に戻るんだ。





「じゃあ、俺が不安だからここにいろ」



この人はいったい何を言い出すんだと、眉を思いっきりひそめたのが、今回は自分でも分かった。





「これなら良いだろ?
お前を拾った、俺なりの責任だ。
せめて、怪我が完治するまでここに」


ぽんぽんとベッドを叩いた。