「そろそろ行くぞ、準備はいいか?」 「ええ。いいわ」 私がいつも使う道具をクラッチバックへ入れる。 二人でホテルから車へ乗り込んだ。 「俺はキングまで行かない。 少し手前で車を止めるから、そこからは歩いて行け」 「うん」 車を走らせて、10分ほどでキングホテルが見えてきた。 きっとスイートとはあの一番上のことだろう。 「緊張してるのか?」 「全然。むしろ楽しみよ、初めてだし」 ハニートラップなんて、自分がやるとは思いもしなかった。