「あれ、ここほつれてる」
クロのワイシャツの一番上のとれかかったボタンを指さす。
クロは舌打ちをすると、ほんとだと呟いた。
「どうしたの?」
「何かで引っ掛けったんだな、多分」
どこか様子がおかしかったから、尋ねようとしたけどちょうど会場が暗くなった。
「えー、ご来場の皆さん。
パーティーも終盤に差し掛かってまいりました。ここからは生演奏を交えて、ダンスのお時間とさせていただきます」
司会者がそう言うと、食べ物が乗ったテーブルが会場の外へと運びだされた。
代わりにサックスなどの準備と、会場の証明が薄暗くなり、いいムードを作り出していた。

