なんとか、怪しまれずに終わった。
「どこまで行ったんだろう」
クロがなかなか帰って来ない。
何分か立って、ようやくワインを2つ持って現れた。
「遅かったじゃない」
クロからグラスを1つ受け取る。
「いや~、声をかけられて。なかなか断れない質だし、喋ってるとこんなにかかっちまった」
「どうせ愛想振りまいてきたんでしょ」
私は調子に乗ったクロを睨む。
「あ、バレた?
それよりも、なかなか上手いじゃん」
「上手くいったかな」
私がそう言うと、クロはワインを一口飲んだ。
「上手くいったもなにも、ありゃお前に狙いを定めてるさ。あとはどうベッドまで持っていくかだな」
クロは遠くで上機嫌の社長を見つめた。

