雪の夜



「やめてよ、そんなに見るの。
誘ってるワケ?」



肩を叩くと、手をぎゅっと掴まれる。




「真面目な話をしてるんだ、その態度やめろ」





「はいはい。じゃあもう出て行きますから」


私が腰をあげようとすると、それを静止するように、掴まれている手に力が入る。



「行くところはあるのか?」


「まあね」


私は男性の目を見つめる


「だから、心配しないで」


彼の目に吸い込まれそうになる。


そう錯覚するほどお互いに見つめ合っていた。