「何故私を助けたの?」 これは単なる興味だ。 なぜ見ず知らずの人間を助けたのか 今でも理解できない。 「なぜって、助けるだろう。普通人が血だらけで倒れていたら」 「そういうものなんだ」 普通が分からない。 別に他人が死ぬだけなんだから、いいじゃないと思ってしまう、私はやはり普通じゃないのだろう。 「そういうものなんだって……」 彼は私の言葉が信じられないのか、 私をじっと見つめていた。