雪の夜



「何故私を助けたの?」


これは単なる興味だ。
なぜ見ず知らずの人間を助けたのか
今でも理解できない。




「なぜって、助けるだろう。普通人が血だらけで倒れていたら」



「そういうものなんだ」



普通が分からない。

別に他人が死ぬだけなんだから、いいじゃないと思ってしまう、私はやはり普通じゃないのだろう。




「そういうものなんだって……」


彼は私の言葉が信じられないのか、

私をじっと見つめていた。