独りの世界に囚われた女性の場合

 静かな夜、この前、買い物の後に近所でやっていた祭りでなんとなく買った風鈴が、小さく控えめに音を鳴らす。
 涙の残滓に涼しい風が抜けるたびに、私の尖っていた気持ちを静かに丸くしてくれる。
 そして、私は瞼を閉じて、眠りにつく。
 小さい頃、夢中になって読んだ眠り姫のように、そして、起こしてくれる王子様を待つように。