「ちょっともー!信じらんない!」







可憐の大きな声で目が覚めた土曜の朝。
眠たい目を擦りながら部屋から出て階段を下りる。







「も、うるさい。なに。」






「ママがね!私のお気に入りの服洗濯してたの!今日由麻くん来るのに!」





「…どうでもいいよ。朝からうるさいよ。」







低血圧だからか、不機嫌な朝。
とにかく顔洗って、


と思ってるとインターホンがなった。







「あら、桃くん。いらっしゃい。」






「…郁?なに、ノーメイク?」





「…今起きたの。顔洗ってくる。」






「じゃあ部屋行ってる。」






桃と分かれてから、ダッシュで顔洗ってメイクを済ませた。
昔から桃以外にはあんまりスッピンを見せたくない。






「ごめん、お待たせ。」






「いちと由麻は?」






「今から来るって。」







それから2人でどうでもいい話をしてると、由麻といちがきた。






「由麻くーん!いらっしゃい!」






「…鬱陶しい、離して。郁助けて。」





「可憐やめたげて。今から勉強するんだから。」





「ずるい!お姉ちゃんばっかり!可憐もする!」






そして、今に至る。
なんで、五人も部屋にいんのよ。






「ねえ、狭い。」






「桃つめろよ。郁の方まだいけるだろ。」





「私が狭いのになんでまた狭くなんのよ。可憐邪魔。」






「由麻くんこうでもしないと一緒にいてくんないもん。」






「…もう、由麻可憐の部屋行けば。」





「やだよ。二人きりなんてゾッとするわ。」







なんなのよ、もう。
桃とは密着しすぎて暑いし、もう勉強どころじゃない…。