阿久津くんが教室を出て誰もいなくなったところで先生が来た。
「お待たせ。荷物持っておいで」
「あ、はい!あの……これから何をするのですか?」
「言ってなかったっけ?始業式の片付け。
ごめんね…本当雑用みたいだよね…」
本当は嫌だけど先生が眉毛を下げて申し訳なさそうだったから、なんとなく許してしまう。
「大丈夫ですよ。HR委員ですから」
「ありがとう。でさ、HR委員って普通男女1人ずついるよね?」
「他のクラスとかはそうですよね…。私のクラスにもいたんですけど、学校途中で辞めちゃったんですよ。
それでそのまま枠が空いてるんです」
「そうだったんだ…。大変だ」
慣れましたけどね……。
別に2人でやる必要もないし。
「あれ?先生体育館こっちですよね?」
「ああ、そうだけど荷物置いておいた方がいいかなーって。
教室だとすぐしまっちゃうからさ、僕の部屋に置くといい」
「……僕の、部屋?」
ちょっと歩いてついたのはあまり通らない場所だった。
空き教室…かな?

