「由貴くん…」
「あ…月城」
「何泣いてるのよ…振られたの?」
「ははは……そうだよ。振られた」
「えっ……?!」
「俺よりもっと相応しい人がいたんだよ」
「そ、そうなの?」
「ああ。だから俺は引き下がるしかないんだよ…」
「そっか…。なんかこんな弱ってる由貴くん見るの初めてだな〜」
「くっそ…誰にも言うなよ?」
「言わないわよ。…ラーメン奢ってあげるから駅前行こう」
「なーに、慰めてくれてるの?」
「うん、ちょっとだけね〜」
「優しいね、月城って。好きな男いるくせに」
「それは内緒っていう約束でしょ?
私が由貴くんに優しくするのは一年生の時から夕凪を一途に想ってること知ってるからよ」
「ははは…そりゃどうも。その恋も終わったけど」

