「由貴くん〜!今日暇?皆でカラオケ行こうってなってるんだけどどう?」
「ごめん。今日はパス!また誘って」
「そっかぁ。分かった」
目立つグループの可愛い子が阿久津くんに誘ってたけど……
それを断って私と図書室でもいいの?
カラオケの方が絶対楽しいと思うけど…。
「じゃ、行こうか」
「うん……あの、カラオケはいいの?」
「いいの。小鳥遊優先」
本当にいいのかなー……。
阿久津くんの後ろをついていくようにして図書室に向かう。
隣で歩くのは失礼すぎる。
何であの子といるの?とか言われたらどうしようもない。
「あ!二人とも〜」
「美桜」
委員会の仕事中の美桜に遭遇。
廊下にある掲示板を張り替えていた。
「二人してどっか行くの〜?」
「図書室だよ。月城もくる?」
「委員会長引きそうだからなー……今日はいいや!」
「そっか。頑張れよ!」
「頑張ってね美桜」
「うん!ありがとう〜」
あれ、栄ちゃんもいる。
掲示委員の担当って栄ちゃんだったんだ。
……そういえば三年間、美桜は立候補で掲示委員やってるよね。
それって……栄ちゃんが担当だから?
いや、でも美桜から別れを切り出したはずで……
もしかして…美桜もまだ栄ちゃんのこと好きなのかな?
……余計なお世話か。考えるのはやめよう。

