BARまでの道のりは本当に短くて、すぐに看板が見えた。
「ここよ」
「オシャレですね」
「ふふ、いいでしょ?さ、入ろう」
伏見先生に続いて入る。
なかなかいい。
ちょっと薄暗くて流れてるクラシックがいい雰囲気を出している。
「マスター!来ちゃった」
「おお。千歳ちゃんいらっしゃい。連れがいるとは珍しいな」
「そうね。同じ職場の人なの」
「どうも……」
よく分からないけど、頭を下げた。
マスターは、ゴツめのネックレスをしたコワモテの人。
だけど、笑顔と話し方が優しい。
「今日は何飲む?」
「そうだなー…ジントニックで」
「僕も同じのをください」
「了解〜」
BARなんて滅多に来ないので頼み方もよく分からないから同じものを頼んだ。
お酒は強いから何でも大丈夫だとは思うんだけど……。

