あぁ…どうして、東雲さんは、こんなにも格好いいんだろう…。

 いつもどこか遠くを見ているような目で見ている空を、私も見たいと思った。
 東雲さんが考えていることを、私も一緒に考えたいと思った。
 なによりも、東雲さんを、綺麗だと思った。

 さらさらで艶やかな長い黒髪。
 バサバサの睫毛。
 澄んだ瞳。
 雪のように白い肌。

 容姿はもう、道行く人が全員振り向くほど美しかった。
 でも、私が綺麗だと思ったのは、彼女の中身。
 なんでも知っている訳ではない。むしろ何も知らない。
 でも、なんというか、オーラ的なものが、透き通っていて、美しいと、思ってしまったのだ。

 きっと、高嶺の花。天の上の人。
 そんな人が、私を、かばってる…?

 それだけで私は、泣き出しそうに嬉しかった。