「この住所の所へ行きたいんですけど…」
私は広告の住所を書き写した紙を渡した。
おじいさんは、老眼鏡をかけて、それを見ている。

「あ〜、ここだよ」
「…へ?」
「こ〜こ」
「…へ??」

ここって、だって、民宿だよ(汗)。
『民宿 海乃風』って看板出てんじゃん。

「あ〜、お嬢ちゃん。あれかい?」
「そ、そうなんです。探してんです」

このおじいちゃん、やっぱ知ってんだわ、ダンススクールのこと。

「あ〜、君かぁ、今日面接に来るって言ってた娘さんは」
「…め、面接???」
「ウチでバイトしたいって?」
「バ、バイト??」
「ま、とりあえず中に入って話そうよ」

た、たぶん、それ…、
私じゃない…。。。。
勘違いしてるよ、おじいちゃん。