「…恵理。先帰るね、私…」
「なんで? まだいいじゃん。私、まだいるよ。ルナもいてよ」
「…お母さん、心配するから」

ウソ。帰っても家は真っ暗で、お母さんが帰ってきているはずがない。
私は、小走りで駅を後にした。

ふと、空を見上げると、今にも落ちてきそうな重たい空が広がっていた。

まるで、これからの私を物語っているかのように…。