お母さんはあなたのことを思ってやっていると言うけれど、私だって友達ともっと遊びたいし、勉強ばっかりじゃ嫌になっちゃう。

それに男の子と一緒にいるだけで文句を言うのはさすがにおかしいと思うの。

机の上を見ると、お兄ちゃんが秘密のノートを目立つところに置いたことに気が付いた。

危なかった。そのままにしていたら、また読まれちゃう。

ノートを引き出しの奥のほうに入れると、無くしたと思っていたノートを見つけた。

「このノート何に使ってたかな?忘れちゃった」

ノートを開けると、誰にもばれずに家から出る方法が書かれていた。

そういえば、この方法を使って、何回かお母さんに秘密で出かけに行ったりしてた……

「そうだ、いいこと思いついちゃった!」

私は宝物を入れたリュックサックを背負って、みんなが寝静まる深夜を待つことにした。