熱い夏の日

「瑞希、前っ!!」

「えっ?」


文乃の声に顔を上げる私。

だけど、


ドンッ――


自分の胸ばかり見て、前を見ていなかった私。

顔を上げた時にはもう遅くて。


前から歩いてきた四人組の中の一人の男の人にぶつかってしまい、尻もちをつく。


「あっ、ごめんなさい」


慌てて謝る私に


「いいよ、いいよ。それより大丈夫?」


私がぶつかってしまった相手の男の人が、優しく手を差し延べてくれる。


「大丈夫です。すみません」


あはは、と苦笑いになりながらその手を取ると、その男の人は私を引っ張り立たせてくれる。


「ねぇ、ねぇ!君達三人で来てるの?」


その時、周りにいた男の人が聞いてくる。


「一緒に遊ばない?」


そして、私達が答える間もなく、違う男の人が聞いてきた。


その時――…