熱い夏の日

『意味がない』なんて事はない。

好きな女に触れられるのなら、それだけで幸せだというのに。


「だって、颯言ったもん。『胸の大きい人の方が好き』って」


そう言いながら、ぷうっと頬を膨らます瑞希。

そんな瑞希を可愛いと思いながら


「んな事、言ってねぇーよ」


別に胸の大きさで人を好きになるわけじゃないし。

現に、俺が好きな瑞希の胸は小さい。

だからと言って、そんな事、気にした事はない。

俺が「言っていない」と言っているにも係わらず、「言った」と譲らない瑞希。

「いつだ」と聞くと


「みんなで海に行った時!」


瑞希は力いっぱい答える。


みんなで海に行った時?

うーん……


あっ!


「あぁ、アレか」


あの事か。