熱い夏の日

「えっ?あぁ、あるよ?でも、暑いから出店に置いてある」


瑞希の答えを聞き、俺は大きくため息を吐く。

俺だって手伝いをした事はある。

だから、暑いのはわかっているんだけど……

他の男共に、肌を露出している瑞希を見られたくない。

それは、この間、海に行った時だってそう。

ちょっと目を離した隙に、ナンパなんてされてるし。

しかもあの時は、俺以外の男に触れられていた。

それを見た瞬間、俺はかなり苛立った。


「触るな」


そう言いたかった。

だけど、瑞希と俺の関係は幼なじみ。

恋人でもない俺が、そんな事を言えるわけでもなく……

瑞希の事をいやらしい目で見ている男達に、一人腹を立てていた。


「これを着てろ」


俺は自分の着ていたシャツを瑞希の肩に掛ける。

今、周りに人が少ないとはいえ、

“他の男に見られたくない”

その気持ちと、

瑞希の胸元が気になって仕方がない俺は理性を保つのに必死だった。