私と颯は幼稚園からずっと一緒の所に通っている。

そんな私達が中学生になった頃の事。

中学に入った途端、私と同じくらいだった颯の身長が、ぐんと伸び、いつの間にか見下ろされるようになっていた。

別にその事は何とも思っていなかったのだけど……


中学生になり、かなり月日が経ったある日の事。

その日もいつものように、颯と一緒に登校していた。

話す事に夢中になっていた私。

後ろから車が来ている事に気付いていなかったんだ。


その時……


私の腕を掴み、車道と反対側にグイッと引っ張る。


「危ねぇーなぁ。ボーッとしてんなよ!」


そして、怒られた。

この時は


「そんなに怒んなくてもいいじゃんっ!!」


なんて、プイッとそっぽ向いて逆ギレしていたけど……


本当は、腕を引っ張られた時の力強さにドキッとしたんだ。