熱い夏の日

俺は人混みと反対の方へ歩いていく。

その後ろを瑞希はついて来る。


「ねぇ、颯。みんなは?」

「あっちにいるんじゃない?」


俺は振り返り、人混みの方を指しながら答える。


「それより、瑞希さ……」


今日、瑞希に会ってから、ずっと気になっていた事がある。


「お前、上に羽織るもん持って来てねぇーの?」


瑞希の今日の服装は、タンクトップに短パン。

出店の手伝いをしていたら暑い。

だから、少しでも涼しい格好をしたいのもわかる。

だけど、タンクトップから見える小麦色に焼けた肌。

大きく開いた胸元。

すらりとのびる足……

その肌から目が離せなくなる。


それに


触れたくなる――…