熱い夏の日

少し会話を楽しんだ後


「楽しんできてね」


瑞希は人数分の焼きそばを渡す。

そんな瑞希の表情は、笑っているのだけど、それはどこか寂しげで……

その時、俺はさっきの瑞希の言葉と態度を思い出す。


「颯、一緒に行ってくれるかな?」


そう言いながら、顔を赤らめ、だけど不安そうにしていた瑞希を……


ゆう兄とのあの会話を聞くかぎり、瑞希はお祭りや花火大会に行きたいと思っている。

そして、自惚れかもしれないけど。

自惚れなら、かなり恥ずかしいけど。

さっきの瑞希の態度を見ると思ってしまう。


もしかして、瑞希も……


なんて。

まぁ、それは自分に都合良すぎる考えだけど。

でも、瑞希がお祭りや花火大会に行きたいと思っているのは事実。

だから、


「ねぇ、ゆう兄。瑞希、借りていい?」


俺は振り返り、初めて瑞希を誘った――…