黙ったままの私に


「お前の気持ち、聞かせてくれよ」


颯は目をそらさず聞いてくる。


「私も、颯の事……、好き」


今まで言えなかった気持ちを言葉にした瞬間、恥ずかしくなり顔をそらそうとする。

だけど、颯に押さえられ、そらす事を許してもらえない。

私の両頬に手を添えた颯は、まっすぐ私を見つめたまま


「瑞希……、好きだよ」


そう言って、ぎゅっと私を抱きしめる。

私も颯の背中に手を回す。


「なぁ、瑞希……」


颯が耳元で囁く。


「何?」


私は颯の腕の中から顔を上げる。


「もう、我慢出来ない」


そう言った瞬間、颯は私の唇を塞ぐ。

最初は軽く触れるだけ。

だけど、それは次第に深いものへと変わっていく――…