熱い夏の日

そして


「俺は『無いよりかはある方に目がいく』って言っただけだろ。別に大きい方がいいなんて言ってない。それにさ……」


颯は黙ると私をじっと見つめる。

颯のすごく真剣な表情に、私の心臓はドキドキと早くなる。


「好きな女だったら、胸の大きさなんてどーでもいいよ。ただ、触れたいって思うだけだ」


そう言って、颯の大きな手の平で、私の頬をそっと撫でる。

颯に触れられ、私の心臓はますます早くなる。

だけど……


好きな女?

颯、好きな人いるの?


今まで考えた事がなかった。

颯に好きな人がいるなんて。

だけど、颯だってもう高3。

好きな人くらいいるよね。


でも……、誰?