熱い夏の日

「いや……、ただ、私、胸ないなぁって思っていただけ」


私と颯は幼なじみ。

今まで何でも話してきた。

幼なじみとはいえ、男の人。

しかも私の好きな人。

“胸がない”って事を話すのはどうなんだろう?

なんて思いながらも、話してしまっている私がいる。

話しておきながら、恥ずかしくなり、下を向いていると


「あぁ、お前、胸、無いもんな。つーか、今さら気にする事か?」

「そんなはっきり言わないでよ!」


顔を上げ、ムッとした表情で颯を見る。


事実なんだけど!

私が言い出した事なんだけど!


自分で言うのはいいけど、他の人に言われるのは嫌だ!!

しかも、好きな人に……


「お前が言ってきたんだろーが」


颯は、むくれている私を見ながら呆れて言う。