熱い夏の日

颯と手を繋いで歩くなんて幼稚園の頃以来。

好きな人と手を繋いでいる事に、私の心臓は早いまま。

こうやって、手を繋いでいる事は嬉しいのだけど


「ちょっ、颯、手……」


恥ずかしくて振り払おうとする。


「手を離したら、お前、また誰かにぶつかるだろ」


だけど、颯は手を繋いでいる事を特に気にする事なく、そのまま歩く。


私はこんなにドキドキしているのに。


「もう大丈夫だよ。もうぶつからない……」


そう言った瞬間


ドンッ――


颯の背中に鼻を打つ。


「ほら、ぶつかった」


私の方を見て、颯は“ほらみろ”と言わんばかりの顔をする。