ルイス邸は、3階あるらしい。
1階は、ダイニング、キッチン
2階には、ダンスホールや集会を行うフロア
3階には、各部屋がある。

ルイスの両親がなくなり、ルイスに継がれてきたという事だった。

芽衣は、ルイスの紹介で、1人の女性と対面しているところだった。

『あら?此方のお嬢さんは?』
『彼女は坂井芽衣。森の中に倒れてたんだ。こちらの女性は、カナリアだよ。』

ルイスが紹介する度に、緊張してしまう。

「坂井芽衣です。お世話になります。」
『ふぅん…それで?その恰好どうにかなりませんの?』

(え?)

カナリアさんは、茶色のウェーブのかかった髪に、淡いピンクのドレス。
私は、制服だけど、土で汚れてしまっている。

『ルイス、彼女の服は無かったの?』
『あぁっ!ゴメン…!今持って来るね。』

パタパタとルイスは、フロアから消えていった。

『貴方、どこから来たの?』
「えっと…その~。」

今まで起こった事を笑われる覚悟でカナリアに話した。

『そう。気の毒ね。神隠しにでもあったみたいじゃないかしら?』
「信じてくれるんですか?」

つい私は、身を乗り出して訊ねた。

『さぁ…どうかしら?でも、ルイスが貴方をここまで連れてきたということは、信じるしかなさそうね。』
「?どうしてですか…?」

『どうしてって…そうね~。私は、ルイスを信じているから。』

(信じてる?そんなに仲良しなの?)

『芽衣~。遅くなってごめんね~。』

ルイスは、肩で息をして言った。

『部屋まで案内するよ。ドレスも置いてきたから、部屋についたら着てね。』

「は、はいっ。カナリアさん、おやすみなさい。」

カナリアは、軽く手を振り、フロアから出ていった。