ネットとリアルと半分こ

「あぁ…教えてあげるわ…」

やつれ気味の金井君のお母さんは話し始めてくれた。

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彼のお父さんは転勤族で家族も毎回それに着いていった。
転勤は1年に1度。
健太も1年ごとに変わる環境はとてもストレスになっていたかもしれない。
お父さんはとても教育に厳しい人だった。
健太の成績はそこまでいいものではなかった。
お父さんはそんな健太を良くは思っていなかった。
テストを返す度に罵声を浴び暴力を振るわれ散々痛めつけられた後勉強をし続ける。
その教育の仕方はお母さんはあまり良くは思っていなかったが反対すると自分にも被害が及んでしまう。それには逆らえなかった。今の学校に来たとき健太は笑顔で帰ってきた。友達が出来たって、いい子だって。その表情はとても生き生きしていた。
しかし。数日後。健太はボロボロになって帰ってきた。どうしたのと聞いても何でもないと答えてくれなかった。
そこからお父さんの教育も厳しくなってきた。少し遊びに行けば怒られ殴られ。勉強させられ。とても酷いものだった。
そして、健太と会話をした最後の日。

健太は血まみれで帰ってきた。

さすがにこれはまずい。
そう思って引き止めようとした。
しかし逃げるように部屋にこもって
しばらく出てくれなかった。
部屋に戻る前のあの子の表情は
生き生きした様子はなく
瞳が曇り、見据えている場所が
宙を浮いてしまっていた。
しかし、追い打ちをかけるように
お父さんが帰ってきた。

そこで修羅場が始まった。

「おい、健太。…早く来い。」

「いっ…嫌…っ…です……っ」

「はぁ…?お前にいつから拒否権が出来たんだ。そんなの親に対する態度じゃない。でてこい。ドアを壊すぞ。」

無理矢理にこじ開けられたドアの前には
怯えきった健太の顔があった。
相変わらず血まみれだ。

「おい、その顔は何だ。」

「何でも…ありません。」

「何でもないはず無いだろ!!」

パッシーン

「っ…!?その…転んで…坂から落ちました…すみません…僕の不注意です…」

「最初から正直に言え!!」

ボゴッ

「ぐはぁっ…!?…はぁ…はぁ…ぉゅるし…くださ…ぃ…」

「おまえごときが許されるものか!」

その日は1時間以上続いた。
最後は健太は救急車に運ばれた。
次の日父は虐待の疑いで逮捕された。
健太は植物人間になった。
健太が帰ってくる前に何があったのか。
それだけが心残りだった。