凛side

 すごい勢いで陸上部の部室に引っ張られた後、かをちゃんに壁ドンされて、尋問されています。

「凛、どうして、櫻坂君といたのっ!?」

「ちょ、ちょっと待って…あの、その前に、櫻坂君ってダレ?」

「なにぃ!?知らないの!?櫻坂君はね……」

 かをちゃんはそういって櫻坂君について語りだした。

 まとめると、さっきのイケメン君は櫻坂優(さくらざかゆう)くんという人で、私と同じ高2。この学園一イケメンらしく、去年の文化祭のミスコン(ミスターコンテスト)で見事優勝したということだった。

「それでっ!?なんで一緒に?」

「えっと~、あのね、話すと長くなるんだけど…」

 私はそういって先程のことを包み隠さず話す。

 要約すれば、私の写真家魂が騒ぎ、隠し撮り、それが見つかってしまって、捕まった、という感じだ。

 そう言うと、こっぴどく叱られてしまった。

「…もう、動画、今削除しなよ~。」

「はぁい……って、あれ?あれ?あれ?」

「ん、どうしたの?」

 私は、気が遠くなるのを感じた。

「カメラ…ない。」















 
「うそでしょ?」