「おい、チビ。」

 うん?

 耳を疑った。

「その、カメラ、見せろ。」

「……その前に、チビって、ちょっと!」

 チビについて指摘をしようとすれば、カメラをとられてしまう。

 ……そういえば、撮影したんだっけ。

「ふーん。お前、プライバシー権で訴えられてもいいの?」

 さっきとった動画をちらつかせる。

 眼を見れば、かなり冗談に思えない。

 …サァァっと、血の気が引いていく。

「ご、ご、ご、ご、ごめんなさい!」

 私は勢いよく頭を下げる。

「ごめんなさい?俺結構傷ついたんだけど。」

 無表情+感情の読み取れない口調で言うものだから怖い。

「あの、ほんとに…ごめんなさい。無意識にしてしまって。その、写真部でして。反射?というのでしょうか。えっと…。」

「なんだ?」

 どうしよう。何とかして、逃げたい。