ぐたぐたしながらも、3の4の教室へとたどり着いた。

二年生の教室に来るのは始めてた。

「拓也先輩どこだろー?」

夏樹の目はドキドキしてる。私はそれに飽き飽きしていた。

「えーと、誰かお探し?」

男の人がパッと出てきた。

背が高くて、顔もかっこよくて、なによりさわやかな気持ちにさせるような笑顔が素敵だった。

そのとき、胸がきゅんとした。

顔が赤くなった。

なぜかわからない。

でも、ドキドキしてるのは分かってる。

「ん?」

長く見つめすぎたようで、慌てて視線を逸らした。

「あの、日野拓也先輩いますか?」

夏樹がいう。

私はまだその人の顔が見れないでいた。

「おーい、たくやー」

拓也がちょっと待てと言っている声が聞こえる。

「どうしたの?」

その人が顔を覗いてきた。

小さく音をたてていた胸が大きな音をたてはじめた。

「な、なんでも、ないですっ」

顔を下に下ろす。

見なくても、わかった。その人はまだ笑顔。

「なんだよー、あ、夏樹ちゃんだ。柚南もか」

夏樹は拓也に話しかける。

その人は自然とどっかにいってしまい、名前もわからないままだった。

「柚南」

ドキッとする。

前を向くと、拓也がいた。

「なんだ、お前調子わりーの?」

まだ、胸と顔が熱い。

「…うん、ちょっと…ね」