月夜に悪魔




「何言ってんだ、おまえの中の花はまだ蕾だ」


「……蕾?」



私はそう言って微笑した

微笑だなんて初めてだ。きっと私は壊れかけている


「蕾…ね、たしかにね。でもね、七瀬君。蕾だって枯れる時はあるのよ?」


七瀬君はそれを聞いて、ビックリしていた


「皐月…?」



「皐月は…悪い子なの」

「どうしてだよ…?」


七瀬君は私を気遣って、優しく聞いてきた


「昨日…ね、お水を忘れちゃったの」


お水…?と七瀬君が首をかしげる


「お花はね…お水をやらないと枯れちゃうのよ…?私は知っててやらなかったの………バラン君を…信じなかったの」


「…………」


七瀬君は沈黙したまま聞いてくれている


「一人にして…七瀬君、今の私、悪い子だから。悪い子には罰が必要なの」



「わかった…」


七瀬君は扉の外に出て呟いた


「そんなにショックだったのかよ、あのキスが……」