月夜に悪魔




「…………眠いから部屋に戻る」


「皐月様はこのままで?」



「そうだ、楽しそうだしな」


バランは皮肉を吐くような笑いを浮かべた






「痛っ!」


「大丈夫かよ!?刺があることを予想範囲内にいれておくんだった…」


「大丈夫だよ、すぐ治るから」


「やめてもいいんだぜ?痛い思いしたくないだろ?」



「いーの!やる!」


「…………」



七瀬は花輪の作り方を教えながら、複雑な思いを抱いた


だからなんで俺は2人の仲を戻そうとしてんだ?

この前もそうだった



どうして、傷つくのは自分なのにこんなことを…



花輪が出来上がって皐月はニコッと笑った



「ありがとっ七瀬君」


………あぁわかった



俺はこの笑顔が見たいんだ


野原にたった一輪だけ咲く、気高くそして優しい花のような笑顔


手を刺で刺して、こんなに傷を作ってまで彼女の花輪作りを手伝ったわけ


そうとう惚れこんでるな、俺



「じゃあ、絆創膏をはって貰ってからバランに渡しに行って来るね」


皐月はうれしそうにトコトコと駆けて行った