月夜に悪魔




「わぁ…!すっごい」


その庭は一面、赤と白の薔薇で埋まっていた


もちろん、テーブルから悪魔の気が届かない程度の距離でだ



「マラッサ!お茶」


「マラッサって誰?」


「俺の専属の執事、なんでもできる天才で優秀な執事だよ」


「天才で優秀?頭がいいの?」


「まぁ…そんなとこだよ…ね」



すると、七瀬君がやって来た


「おまえをお茶会に招待した覚えは全くないんだけどな?フィート」


「俺は別におまえに呼ばれてねーよ、皐月に呼ばれたんだ」



「そうだよ~、皐月が呼んだの」


「…………」



バランがフイっとそっぽを向いてしまった


皐月…悪い事した?



「皐月、あっちいこーぜ」


七瀬君に呼ばれて、もう一度バランを見た


「向こうで遊んでくれば?枯れない薔薇で」


「…………」



どこかで引き止めて欲しかったのかも…


私の胸は、刃が突き刺さったかのようにズキズキと深く痛んだ…