月夜に悪魔




目を開けてみると、そこにあった壊れかけの壁は跡形もなく消えていた


「ぷぅ…!いっちょあがりっ」


七瀬君が私を支えたまま言った



これって片付けって言わないんじゃ…



「…………また壁が減った。てかフィート、早く皐月ちゃんから離れろよ」



「バランが婚約を受け入れてくれるまで、私たちは壁を壊してあなたの家に侵入しますわよ?」



「…強制はいけないと思う!」


「あら、いたの本荘さん」



「好きでもない人と婚約はできないよ!相手の気持ちも考えてやって下さい!」



「生意気よ…本荘さん」

ビュッと何かが風をきった


私にとっては目に見えない早さだったが、彼等にとっては十分だったみたいだ



キンッと弾く音がして、つぶっていた目を開けると


周りには鋭利な刃物の破片が散らばっていた



「皐月ちゃんに手を出したら殺すよ?」



さっきとは立ち位置が違う場所にバランはいた、そして鋭い冷めた目付きで南口校長を睨んでいた