月夜に悪魔



「起きてくださいまし、皐月様」


いつもと聞き慣れないメイドの声が朝の寝室に響きわたる



「起きて下さい!」


ユラユラと揺さぶられるが、まだ眠たいので体が動かない




「バラン様っ皐月様が」

メイドはそう叫びながら部屋から出て行った



バラン……?


バランって確か………



私は勢いよくベットから跳ね起きた


「バラン…!!?」



そうだ!私は昨日バラン君の家に連れてこられたんだった!!



窓側に飾られたバラは凛としていて、朝を歓迎するかのようだ



その側にある私の寝ていたベットは、真っ赤な色でバラをモチーフにした柄だ




「学校…!!間に合わなくなる!」


「いや、今日は学校は無いよ」


いつの間に開いたのか、扉が外側に開いていてバランの眠たそうな顔が覗いていた


「ふぁーあ……、眠い」


「バラン君も眠たいの?」


「悪魔は夜行性だからね……。朝は大抵、起きてないんだよ」


「ごめんなさい!もしかして私のせいで起こしちゃったの?」


私が慌てていうと、初めて会った時のような笑顔を見せてバランが言った


「皐月ちゃんのせいなら大歓迎だよ」


「……?バラン君の言っている意味がよくわからないよ」


「まぁ、いいよ。別に気にしなくていいって言ってるのさ」


バランが私の横たわっているベットの横に、フワッと座った



バラに目を向けてみると

真っ赤に紅葉していたバラの花びらは、無残にも朽ち果て、茶色を通りこし、真っ黒に染まっていた