月夜に悪魔



「……………」


人形売り場で立ち止まる


懐かしいエメラルドグリーンの瞳の人形


ついつい、手が伸びる



「…………バラン君」


「おい」


声でハッとする私



「また、バランかよ。……いい加減にしてくれないか…?」


「………っ…ごめん」


「…………行けよ」



「え…?」


全く思いもしなかった七瀬君からの言葉


「好きなんだろ…?バランの事が。気付いたんだろう…?」


「………でもバラン君を守らなきゃ…」



「…それは俺がなんとかする、だから行けよ。もう無理なんだろ?」


「…………あり…がと、七瀬君」


七瀬君…ありがとう



私はライトウェア通りをパタパタと走り抜け、屋敷へ戻った



「………行けよ…、早く行っちまえ…」



フィートはその場にうずくまり、ただ、ただ。呟いていた