月夜に悪魔




放課後、私と七瀬君は南口校長先生に呼び出された


私は怖かった



だけど、現実から目を逸らす事はできない


怖いながらも、私は前に進んだ



「待っていたわ」


朝の大惨事が忘れられるぐらい部屋は元どおりになっていた


それに、南口校長先生は朝とは違い、すごく穏やかな表情をしていた



「何の用だよ……ねぇさん…」


「あなたたちに頼みがあるのよ」


「あれほどの事をしといて頼みだと…?」



「まぁ、そんなに怒らないで、気を落ち着けましょうよ」


「…………」



「本題に入るんだけど、あなたたち、付き合ってるふりをしてくれない?」


「………え?」



「な…何言ってんだよ!」


「フィートにとっては好都合でしょ…?」


「………っ!でも皐月は…!」


「私…………本当に好きな人としか…」



「あらいいの?バランを助ける案なのに」


「……?」



「バランはね、前代未聞な事をしでかしてるの。古くからのしきたりを壊そうとしてるのよ」


「しきたり…?」



「そう、私の家とバランの家がこの代で婚約をすることは昔から決まってたのよ。」


黙々と話をすすめる南口校長先生



「もし、フィートと付き合えば城の者の目を欺けるかもしれない。そう、バランは罪を犯した事にならなくてすむ…どう?それでもいや?」



「………皐月」